小売業、サービス業の用語解説
 
 50音順掲載
 あ   か   さ   た   な     まやら  

 

ハードウェア・ストア Hardware Store              より詳しくは。。。
 近代的金物店。アメリカの場合は、約24,000の       小売業用語辞典
金物店(ハードウェアストア)の殆どが、@共同仕入れ
会社かA問屋主宰ボランタリーに加盟して近代化さ
れている。したがって、「近代的金物店」と解釈した方
が現実的である。日本では2006年12月現在、639店
に達したコメリハード&グリーンがある。(後略)

売価還元法
 棚卸し資産の評価方法の一つで、期末棚卸し資産の予定売価を、原価率で還元した原価の額で評価する。(中略)
 この方法は従来、小売業で最も多く用いられていたが、今後は原価法の中の最終仕入れ原価法などへの移行が増える可能性が強い。

ハイ・スタイル
 従来のモールにライフスタイルセンターを加えたモール。(後略)

ハイパー・マーケット Hyper Market
 DS(ディスカウントストア)が食品をほとんど扱わないのに対して、ハイパー・マーケットは食品が売上げの過半数を占めている。1960年代に欧州で開発された業態で、ドイツ語でハイパーマルクト、フランス語でハイパーマルシェと言う。アメリカにも一時輸入されたが、成功しなかった。
 その原因は、欧州のハイパー・マーケットは@極めて大商圏主義を取り、A荒利益率が10%台と低いこと、B競合業態が少ないが故に成り立っていることにあると言われる。現在は東アジアや中南米に進出している。

バイヤー Buyer
 マーチャンダイザーの仕事の一部分を担当する職位。マーチャンダイザーは製品開発をするが、バイヤーはそこまでは担当しない。商品の提供方法の開発までを担当する。(後略)

バラエティストア(VS) Variety Store
 購買頻度が最高で価格帯が最低の商品を、総合的に揃えた便利店。アメリカでは売場面積が200坪〜600坪のチェーンが多い。アメリカでは昔、ウールワースを初めとするVSがディスカウントストアに取って代わられて停滞。その後に、ファミリーダラー、ダラーゼネラルという低所得層を客層としたVSチェーンが成功している。
 日本でも、ダイソー等の百均店が100円の枠を外し、数百円の商品までを扱うVSに変身しつつある。

パワー・センター Power Center
 パワー・センターは名前の通り、パワー(集客力)のある店の集団。集客力は多くの場合、価格破壊店が段突に発揮する。これは、倉庫クラブやスーパーセンター、倉庫型HC、カテゴリー・キラー、DS等が典型。(中略)
 パワー・センターの一典型であるディスカウンティング・フォーマットは、商圏人口が10〜20万人。従って、従来型のRSCの商圏人口とほぼ一致するので、RSCにとっては新たな脅威である。(後略)

販促分配率
The Ratio of Sales Promotion Costs to Gross Margin
 荒利益高に占める販売促進費の割合。あるべき数字は6%。高くても12%以内、チェーンストアならば10%以内に抑えるべきである。
 販売促進費は、折り込みチラシだけでなく、マスコミ広告費、POP広告費、催事経費、包装紙・ショッピングバックなども含まれる。

POR(ピー・オー・アール) Point of Receive
 PORとは、店の商品管理の3つの段階の一つ。すなわち、@POO(発注)、APOR(荷受け・検収)、BPOS(販売情報の活用)の一つである。
 店の作業としてはさらに、APORとBPOSの間に、商品補充・陳列がある。
 PORとは「入庫時点の商品管理」であり、荷受け・検収等の段階である。(後略)

POO(ピー・オー・オー)  Point of Order
 発注(ordering)のこと。各アイテムの販売予測に基づいて、必要数量をベンダー(卸し会社、メーカー)に注文すること。「店舗業務の流れ」の中の、POO(ポイント・オブ・オーダー)である。(後略)

ビジビリティ Visibility
 店の見やすさのこと。顧客が認識しようとした時の見やすさを視認性、認識しようとしなくても見やすいことを視界性という。アクセシビリティとともに、商業立地を判断する時の極めて重要な条件。

ビジョン Vision
 展望。将来への可能性として心に描く展望。
 「ミッションへ到達するまでの道筋(ロードマップ)」。「どのように目標に到達するか」という「展望」でもある。

ビッグ・ストア Big Store
 1社で年商50億円以上の小売業及び食堂業。(後略)

百貨店 Department Store
 部門区分店で、正しくはデパートメント・ストアと言う。@店全体を各売場部門に区分し、A部門ごとに利益管理(部門別管理)をする店。1852年にフランスに誕生したボン・マルシェが第1号で、これがアメリカに輸入されて発展した。
 当初は、その画期的な「価格破壊」主義で大衆に支持され、その部門別管理による低価格制はスーパーマーケットに引き継がれた。しかし、現在では、主として高級ファッションまで扱う存在となった。(後略)

標準化 Standardization
 最も良い方法に統一して、能率を最高の状態にすること。標準化は主として、オペレーション(作業)や組織維持のために進められる。したがって、作業の基準が大事であり、これが例外行動なく最も合理的な方法で行なわれることが必要。さらに、物事を処理するための決定の基準もまた、例外のないことが効率を高める。
 標準化はしかし、一度決めればそれで良いというのではなく、より良い方法を発見する度に修正する必要がある。
 また、標準化はチェーンストアの3S主義の一つである。3S主義とは@シンプリフィケーション(単純化)、Aスタンダーディション(標準化)、Bスペシャライゼーション(専門特殊化)の3つである。

ファクトリー・アウトレット・モール
Factory Outlet Mall
 有名メーカーの工場直売店を集めた、新型のショッピングセンター(SC)。従来のSCと違う点は、ほとんどの店がメーカー直営であること。そして、デパートなどの価格よりも5割あるいは7割も安く売っている。日本の小売店売価に比べると、物によっては10分の1の商品もある。(後略)

ファスト・フード・サービス(FFS)
Fast Food Service
 品物を注文してから1分以内に販売できる食堂業。店内で食べることもできるが、テイク・アウト(またはツー・ゴー、持ち帰り)のメニューも多い。

フード・サービス Food Service
 食堂業。調理して食物を提供するすべての商売を指す。すなわち一般の食堂に限らず、会社や工場での給食・食堂、自動販売機までがフード・サービスに含まれる。

複合カフェ
 カフェ(喫茶店)に喫茶以外のサービスを加えた店の総称。インターネットやコミック、ゲーム等を組み合わせて、滞在時間に応じて料金を支払う。
 複合カフェの前身は、昔自然発生的に増えたマンガ喫茶。これらを含めると複合カフェは全国に何万店もあると言われるが、暗くて小さなマンガ喫茶を大きく、さらに明るく清潔にして、インターネットやテレビゲーム、ビデオなどを加えた複合カフェが台頭した。店舗面積が200〜300坪以上の店では、卓球やビリヤード、エステ等も併設、サービスの種類は多様である。

不動産分配率
 荒利益高に占める不動産経費の割合。20%以内(18%前後)であれば健全。さらに積極的に多店化する企業であれば、理想的には15%前後が望ましい。25%以上だと経営が苦しくなり、40%を超えると危険、45%を超えるとほとんど倒産寸前である。
 不動産経費の内訳には、家賃と共益費のほか、保証金・建築協力金・敷金などの減価償却費がある。

プライベート・ブランド(PB)
 ナショナル・ブランド(NB)商品がない商品分野で、小売店向けに新しく開発した商品がPB。つまり、主には大企業ではない産地や加工場(中小メーカー)に、仕様書によって発注して作らせる商品。
 これは和製英語で、英語ではプライベート・レーベル(Private Label)と言うのが一般的。(後略)

フリークェント・ショッパーズ・プログラム(FSP)
Frequent Shoppers Program
 優良顧客を優遇する仕組み。カスタマー・スペシフィック・プライシング(マーケティング)とも言う。例えば、顧客の来店頻度によって売価を割り引いたり、買い上げ金額によってカードのポイント数を増やしたり、大口顧客向けに特別サービスをしたりすること。アメリカに続いて日本でも、ポイント・カードなどでこのような販促を進める例が増えている。
 これは小売業の第三の波とも言われている。すなわち、第一の波は昔のハイ・ロー・プライシング(上下変動値付け)、第二の波はその後に現われたエブリデイ・ロー・プライシング、そして現在のカスタマー・スペシフィック・プライシングに至っている。

ブルー・オーシャン戦略
 「ブルー・オーシャン(BO)戦略」(キム氏・モボルニュ氏の共著)の狙いは、競争相手や業界全体が見落としている「価値要素」を打ち出すことである。これによって自店は競争をはねのけ、独自の路線を進むことができる。
 そのために行なう分析が、「戦略キャンバスに価値曲線を描くこと」だ。この分析の結果、自社は「4つのアクション」を起こす。BO戦略は、「4つのアクション」によって、実現へと向かう。
@これまで提供してきた価値要素で、取り除くべきものを除く。
A思いきり減らすべき価値要素を減らす。
B大胆に増やすべき価値要素は大いに増やす。
C業界でこれまで提供されていない、付け加えるべき要素を加える。
 「4つのアクション」により、新たな価値要素を「増やし・加える」代わりに、不要な要素は「減らし・取り除く」。これは、トレードオフ(同時には達成できない要因の釣り合い・かねあい)の常識を打ち破る方法だ。つまり、取り除きながら加えるから、コストを増やさずに価値を加えることができるのである。(後略)

プレスティージ・ストア Prestige Store 
 名声店。他の高級専門店では扱っていない品を売る店で、コンサルティング・セールスで販売する。

ベンチマーキング Bench Marking
 ベスト企業・エクセレントカンパニーに学ぶことだが、ベンチマークとは「水準基票」のこと。すなわち、非常に高い水準にある目標である。
 ベンチマーキングはベスト企業を目標として、そのベスト・プラクティス(経営と実務の最も優れた実践方法)を学ぶことである。
 自社の現状をベスト・プラクティスと比較することにより、自社の現状を客観的に評価することができる。これにより、経営刷新に関わる社員全員にとって、具体的な目標が明確になる。

ホーム・インプルーブメント・ストア
Home Improvement Store
 いわゆる本格ホームセンターのこと。HI(ホーム・インプルーブメント)、すなわち「住まい」を少しずつ良くするための、商品とサービスを提供する業態。@商品とAサービス(取付け施工)によって、「生活提案ができる」水準にまで専門化した総合大型店で、本格的大型HCである。したがって、売場面積は2,000坪以上。そして品揃えは、@広く(顧客の欲しいものがあって、選びやすい豊富さを実現)、A深い(特定品種の品目数が多い)。
 さらに、HIプロジェクトやカラー・コーディネートについて、@より便利な方法やA組み合わせなどを提案する。

ホーム・エンタテインメント・ストア
Home Entertainment Store
 従来からバラバラに存在していたゲームやレンタル等の店を、より大きくスーパーストア化して総合化した店。(後略)

ホームセンター Home Center
 住まいを良くする商品とサービスを、総合化して提供するセルフサービス店。日本では、昭和47年12月1日に開店したドイト与野店をパイオニアとして、その後約30年以上にわたって発展した。しかし、第2期とも言える昭和62年〜63年頃からは、HCが大小2つの業態に2極分化し始めている。
 その一つはHIストア(ホーム・インプルーブメント・ストア、本格HC)で、売場面積は2,000坪以上で最大規模店は1万坪以上の、生活提案ができる店。
 もう一つが小型専門店で、売場面積150〜300坪の専門特化店。専門特化とは、コア(核・主力)商品を、例えば「ハードウェア(金物・工具)」に、あるいは「オート(車と自転車)」に、「ペット&グリーン」に専門化するという意味。

ホーム・ファッション Home Fashion
 マイホームをファッショナブルにする商品分野。
 ただ、ファッションは本来「流行」のことだから、ホーム・ファニシングと呼ぶべきところをホーム・ファッションと呼び間違えていることも少なくない。

ホーム・ファニシング Home Furnishing
 マイホームを住み良く楽しく、かつ便利に美しくするために、調度や設備機器等で整えること。ファニシグという言葉には、調度(家具、インテリア、備品など)で間に合うように整えるという意味がある。

POS(ポス) Point of Sale
 販売時点における情報管理と訳される。レジスターがPOS端末の一つとなり、商品に付いたバー・コードを読み取り、これがコンピュータに入力されて、商品データが管理できるシステム。
 POSシステムの最大のメリットは、売れ筋商品の発見ではなく、死に筋商品の発見である。すなわち、自店の商品の中で売れない品がすべて明確に把握できるので、これを早く処理することがPOSの最大のメリットである。
 これに対して売れ筋商品情報は、複数の他社他店を含めた、できるだけ多くの同業店の売れ筋情報の集計によって初めて分かる。

ボックス・ストア Box Store
 箱のような小さくて単純な建物の意味で、きわめてロー・コストの品目限定店(リミテッド・アソートメント・ストア)。日本では、売場面積を90坪に標準化したビッグAがある。ボックス・ストアは1976年、西ドイツの小売り資本アルディが始めた業態。

ポピュラー・プライス Popular Price
 大衆実用価格。厳密には、「200店舗以上のチェーンストアになってから初めて開発できる価格帯」を指す。つまり、チェーンストアの製品開発力が伴わないと実現できないほどの、かなり低い価格帯である。
 ホームセンターやスーパー・ドラッグストア、スーパー・スーパーマーケットや専門大店等の流通業新勢力は、ポピュラー・プライスを狙う業態である。




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